ステージ上で涙をぬぐっていたのは、第70回感門之盟で総合司会を務めた江野澤由美。コスモスカラーのワンピースが華やかだ。
江野澤はエンドロールの映像を眺めているうちに、感きわまった。感門之盟の総合司会というロールは、それほどの重責なのである。
だが、ただ一つにして大きな瑕疵がある。それは、江野澤の涙が、本番前のリハーサル中だったこと。エンドロールの映像も、前回のものを流用したダミーだった。
「おいおい。泣くのは早すぎるだろう」。そんなツッコミが会場内から投げかけられた。
井ノ上シーザー
編集的先達:グレゴリー・ベイトソン。湿度120%のDUSTライター。どんな些細なネタも、シーザーの熱視線で下世話なゴシップに仕立て上げる力量の持主。イシスの異端者もいまや未知奥連若頭、守番匠を担う。
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